こんにちは、日吉機械化営農組合の安藤(入社1年目)です。
春の陽気が続いたかと思えば、突然雪が降ったりする3月ですが、令和6年・日吉高原の田起こしがはじまりました。
田起こしとは
田起こしとは、冬の間、乾いてしまった田んぼの土を掘り起こし、深く耕すことで地力を向上させる作業のことです。
田んぼの表面を平らにして、土を起こして乾かすと、土に沢山の空気が含まれて稲の成長が促進されます。
機械を使って、ただただ右往左往としている姿は一見して地味な作業ですが、美味しいお米づくりの非常に大切な作業。
前日に降った雨が水たまりとなるほどに、土が固まっていますが、
田起こしをすることで、このようにまばらな土になります。
入社してもうすぐ1年
以前、ブログでも紹介していただきましたが、私が入社したのが昨年の初夏。もうすぐ1年になります。
前職では営業のお仕事に従事させて頂いていましたが、正直2~3か月もあれば大体のことは分かるようになって、仕事のルーティンが身に付く。
ですが、農業は全くもって別。
1年が経過しようと、毎日覚える事ばかりで、同じような日がありません。
「ある程度できるようになるまで最低3年かかる」と先輩から教わりました通り、同じ季節であっても天候が違えば、気温も違う。
農業に関しては、1年を通しても全く同じ日常はない。
自然を相手にするということが、これほど複雑で難しいものだと入社してから本当の意味で感じるようになりました。
ですが、すでにこうして一人で作業を任されることは自分の成長への近道になっていると感じます。
正直、非常にプレッシャーもあります。
”正確に、時間内に、トラブルなく” を、たった一人、自分しかいない田んぼで機械を使って動かしていますので、常に周りを見て、田んぼを見て、機械を見て、と(まだまだ新人であるがゆえ)神経ばかり尖らせています。
それにヒヤリハットは、まだ結構多いです。
後ろばかり気を取られて、危うく転落しそうになったこともありました。
自動車と違って、トラクターって、思った以上に簡単にひっくり返してしまうんです。
普段食べるものにも意識が変わった。
以前は、パっと手軽に食べれて、それなりに安いものでも何でも、食べることに無頓着な部分はありました。
ですが、実際に自分が農作業を行うようになって、普段から食べるものにも意識するようになりましたね。
「減農薬」とか「オーガニック」とか書かれていると、つい表示を見てしまいますし、道の駅や産直売り場なども気になって足を運ぶことも増えました。
田起こしの後は、代搔き(しろかき)という地味な(笑)作業に続きます。
そして4月からは第一回目の種まき=播種(はしゅ)が始まり、夏にかけて除草と農薬散布など。
約1年を通して、こんなにも大変な作業を繰り返してお米が作られていると分かると、その苦労や、お米の有難みを初めて知ったような気持ちになります。
それに ”何でも食べれればいい” という考えでは済まされないなと。
食において、本当に良いものとは何か?
食べて安全で安心で健康になれるよう、丁寧に育てられたものを食べたいと思うようになりました。
私自身も、農業を生業にしたいと考えて入社しましたが、テレビやSNSなどで農業男子や女子なども見受けられる彼ら彼女らの背景には、こうした地味で大変な農作業が日々行われているリアルな現場も知って頂けたらと思います。